一般社団法人大槌新聞社

防災と地域づくりの課長を外部から

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2021年4月5日

 防災と地域づくりは、大槌町にとって最重要課題です。町は今年度、それらを担当する防災対策課と協働地域づくり推進課を新設しましたが、課長は外部採用しました。さらに、2課を統括する「防災・協働地域づくり専門官」も新設し、民間企業からの出向者を採用しました。大槌町では震災で多くの職員を失ったこともあり、幹部のなり手不足が続いています。

大槌町役場で行われた辞令交付式=2021年4月1日・多目的会議室

 防災対策課長に採用された田丸正人さん(59)は、国内外に7千人以上の従業員がいる部品製造会社「ミクニ」出身で、災害対策などのリスク管理を担っていました。盛岡市出身で、大槌町とは縁がありませんでしたが、課長を募集していることを報道で知ったその日に申し込んだといいます。田丸さんは「組織に横串を入れた活動が速やかにできるようにしたい。町民目線を忘れず、住民の負託にこたえたい」と話していました。任期は3年です。
 また、防災・協働地域づくり専門官には、大槌の土地区画整理事業などを手掛けた前田建設工業からの出向者が採用されました。任期は半年です。
 今年度の新採用職員は15人で、新しい派遣職員は3人。地元と派遣、会計年度の職員合わせて計208人です。

■外部採用に不安も、やむをえず

 防災対策課長を外部採用することについて、町内外からは「行政経験がない人で大丈夫か」、「地元を知らない任期付職員に重責を負わせていいのか」、「課長ではなくアドバイザーとして雇うべきだったのではないか」など、不安や疑問の声が上がっています。町が2016年に「震災検証室長」として外部採用した元県職員が、退職前に検証資料を廃棄したことなどもあり、不信感もぬぐえません。
 それでも、防災対策課長を担える職員が地元にはいないことから、やむをえない状況です。住民との協働まちづくりについても、地域の実情やこれまでの経緯などを熟知した上で、中長期的な取り組みが求められますが、任期付きの外部人材に頼らざるを得ない状況です。
 職員の人材育成について、ある役場関係者は「10年以上かかる」と同情します。震災から10年が経った今も、町幹部は有効な手段を見い出せていません。こうした状況は今後しばらく続きそうです。