一般社団法人大槌新聞社

仲間の悔しさ、次世代に伝える

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2021年8月27日

 東日本大震災津波で観光船「はまゆり」が乗り上げた民宿跡地の前で7月23日、住民有志が花壇づくりをしました。NPO法人「はまゆり復元保存会」の古舘和子会長や協力者ら10人ほどが参加。ツツジや日日草などの苗木を私有地に植えました。

民宿跡地の前にある私有地で花の苗を植える住民有志=赤浜

 町は当初、「はまゆり」と民宿を復元・保存する予定でしたが、平野町長の強い意向で方針転換。今年2月に解体されました。町は今年度から官民連携による震災伝承を行う方針で、旧役場庁舎や民宿の跡地活用も検討するとしています。

解体される民宿=2月1日

 古舘会長は「跡地活用に向け、地区をきれいにしたい。モニュメントの整備などを町に提案している。かなうかどうかわからないが、最後まであきらめずに頑張りたい」と話していました。民宿解体をめぐる町への不信感を押し殺し、震災伝承に励む古舘会長の思いを掲載します。

花の苗を植える古舘和子会長

古舘和子会長:民宿が解体される時、(マスコミに)コメントを求められたが、ない と答えた。旧役場庁舎解体の時は非常にいろんなことがあった。私達も(役場と)言 い合いがあったが、(震災から)10年過ぎたし、私も年だし、これからも大槌で暮ら していかないといけない。みんなで心を寄せ合いながらやっていきたい。

 津波が来る前の月、イベントのご苦労会を公民館で開いた。あの時はどういうわけ か、お世話になった仲間に感謝の言葉を伝えたが、その人たちは全員亡くなってし まった。みんな、きっと悔しい思いをして亡くなったと思う。「自分たちが亡くなっ たことを何らかの形で伝えて欲しい」と願っていると思う。その思いを次世代に伝え るのが私達の役目。だから私たちは一生懸命やってきた。

 (過去の津波で)石碑に文字を刻んだ人達は、未来の私達が津波の被害にあわない ようにという強い思いで津波記念碑を作ったと思う。でも、それは何の役にも立たな かった。私たちはさらに踏み込んで、モニュメントなどを作れたらいい。津波の怖さ を思い出させるようなものを作ってほしい。