一般社団法人大槌新聞社

旧役場庁舎と旧民宿跡地に仮看板設置

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2021年10月14日

 解体された旧役場庁舎と旧民宿の跡地に仮看板が設置されます。11月下旬に完成予定です。看板は縦横90㎝で、高さは170cm。被害の実態や教訓等を掲載するとしています。6日にあった定例記者会見で示されました。

 町民や議員からは「震災10年が経つのに、大槌町には震災を伝える建物や場所がない」、「説明看板の一つもない」といった不満の声があがっていました。会見で平野町長は、「これまで『震災を忘れない、伝える、備える』と言いながらも、はっきりとした部分がよく見えなかった。(役場職員)遺族や職員会での話し合いを含めて、設置の必要性はあるだろう」と話しました。

 ただ今回は仮の看板にすぎず、本設看板などへの移行については、町が今年度から始めた「震災伝承プラットフォーム」で検討されます。平野町長は「(プラットフォームでの)方向性がまとまるまで時間がある。その間、仮ではあるが伝えていくことが必要」としています。掲載内容の検討はこれからで、月内には決まる見込みです。

旧役場庁舎仮看板の設置位置(白い矢印)=町資料

 また、中央公民館と城山公園体育館の指定管理者募集についても示されました。募集期間は11日から来月10日まで。審査結果は11月下旬に公表され、12月議会での議決を経て決定されます。

 会見では、福幸きらり商店街の跡地活用についても質問が出されました。

 

■仮看板、今後撤去の可能性も

旧民宿跡地近くでは住民団体が花壇づくりを行っている

 

朝日新聞Q.(掲載内容は)被害の実態や教訓等とあるが、教訓はどのような趣旨を考えているのか。
町長A.まだこれから。どれだけのボリュームが入るのか想像できないところがある。これまでの経過を含めて、教訓として何があるかということは載せていきたいと思うが、全体が載せられない場合はQRコードで確認してもらうことになる。

Q.QRコードはどの程度のものが出てくるイメージか。
A.具体的にはまだ事務方と話をしていない。

Q.震災伝承ワーキンググループで、(役場職員)遺族が「恥は恥として伝えるべきだ」と話していたが、そういう意見も取り入れた上で検討するのか。
A.事実は事実として伝えていくことが必要。担当課で検討しながら進める。遺族の意向を聞く予定は入っていない。

 

大槌新聞Q.5日に契約開始、下旬には工事開始となるが、掲載内容の作成はいつごろか。
町長A.10月中にはできると思う。

Q.(旧庁舎の)看板は献花台の隣に立てることになっている。(献花台隣にある)お地蔵さんは鎮魂の森に移すどうかを検討中だが、献花台の検討は。
A.プラットフォームの中で考えていく必要がある。

Q.お地蔵さんは鎮魂の森検討委員会で検討されている。献花台と(検討の場が)分けられるのか。
A.全体的に考える。

Q.仮とは言え、予算が40数万円。プラットフォームの検討次第で撤去される可能性もあるのか。
A.ものによってはあると思う。どこまでも仮ということで位置づけしている。

 

■中央公民館、避難所運営は官民連携で

中央公民館での避難所開設職員研修。災害時は町の防災拠点となる

 

大槌新聞Q.地区公民館も(指定管理に)出すと言っていたが。
町長A.今回は公募型。地区公民館は縁故型、地縁型。町内会や自治会が「指定管理を受けます」と言わない限りは進められない。地区との話し合いは進めている。地区としてやらないとなれば、これまで通りの形になる。

 

朝日新聞Q.熊本では指定管理者が避難所運営する場所もあった。避難所開設した場合、中央公民館は町が運営するのか、それとも委託先がするのか。
町長A.主体的には町管理になる。指定管理者と一緒に運営していく形になる。きちんと住み分けする必要がある。

Q.震災時、安渡や赤浜などでは実際、自主運営だったが、管理しているのは役場だったのでそういうスタイルか。
A.避難所運営については詳細をきちんと決めて、頼むところは頼む、町でやるところはやるというところをはっきりさせたい。そう決めていても動けないのが震災ですから、その際にはどうしたらいいんだ、責任の在り方についても明確にして、避難者が戸惑うことのないように決めていきたい。

 

■きらり跡地、建物ではない形で活用?

朝日新聞Q.福幸きらり商店街跡地の利活用検討委員会では、もう何も作らず、建てるにしても屋根程度で、特産物の販売もそのうち考えればいいのではみたいなことに意見が集約しつつあった。町長の感想は。
町長A.10月末と2月にまとめていく。整備にかかるかなり大きな予算確保や運営も様々課題もあると聞いている。検討委員会としてどういう結論が出されるか待ちたい。

Q.町長自身は跡地をどういう場所だと考えているのか。
A.交流人口拡大もあると思うが、地域に愛される場所にしたい。それを盛り上げるにしても町民の英知が必要。やる気があるかどうかも含め、そういうことを大事にしていきたい。自分たちがこうしたいよね、こうしたらいいよねという部分が出てきていれば最高かなと思う。そこまで行くにはある程度時間がかかるというのであれば、それを見ながらということになる。

 

大槌新聞Q.(検討会の)会場にいた人からは失望の声が聞かれる。検討委員会で何も作らないとなった場合、町長としては作らないとなる可能性はあるのか。
町長A.何もなくということではなくて、その裏にはいろんな思いがあった。検討したということがしっかりと何かの形にしなければならない。何らかの予算措置をして、検討結果が少しでもその場に出るような状況にしたい。

Q.住民の英知ややる気と言うが、そもそもこの検討会は、きらり商店街が終わったというのと、その数年も前から遊び場と郷土芸能施設の要望が出されていたのを(町が)ずっと放っておいて、そこであわせて考えましょうという話だった。最初は委員もすごくやる気があって、遊び場や郷土芸能施設のプレゼンもした。住民はやる気もあるし、だからと言って(役場は住民に)借金を背負ってまで、運営まで全部やれとはまさか言わないだろうと思っていた。むしろ役場が「何とか実現しよう」とするだろうと思っていたが、「(検討会は)やる気を失わせるような進め方だ」と指摘する人もいる。
A.当初は形あるものを作ろうと進められたが、いろんな意見情報を入手しながら議論がなされてきた。結果的にはいろんな形になるかもしれないが、話し合うことそのものがすごく大事。建物ではなくて、何かの形でそこを活用するという案は出していきたい。

Q.建物でないということは、あそこを更地にしてフリーマーケットみたいな感じか。
A.私がではなくて、みなさんがそう思っている根底にあるものをぐっとつかんで具体な事業にしたり、予算を確保したり考えていきたい。町の中にも空き地があって、その活用もある。今回はきらり跡地だったが、全体を俯瞰した形での跡地利用も意見としてなんとなく感じるところがある。その方向性については新年度予算化するなり進めていきたい。